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座席、視線、睡眠…子どもの「乗り物酔い」を防ぐ5つの工夫 酔い止め薬には注意点も - 読売新聞

 年末年始の足音が近づいてきましたね。新型コロナ感染症でバタバタしている間に、何だかあっという間の一年でした。毎年、この時期は子連れで実家に帰省されるご家族向けに、事故予防や子連れ旅行にまつわるお話をしてきました。ただ、今年の年末年始の帰省はどうなるのでしょうか。公共交通機関の利用は少なく、自家用車での移動が増えるかも知れませんね。車の移動と言えば乗り物酔いが気になる方もいるかも知れません。そこで、今回は乗り物酔いについて取り上げてみたいと思います。

イラスト:江村康子

イラスト:江村康子

大きなスクリーンで揺れた映像を見ても起こる

 乗り物酔いは、ほとんどの人が経験したことがあるのではないでしょうか。人類が自分の足以外で移動する手段を持ってから出現したこの症状の歴史は古く、乗り物酔いを最初に説明したのは2000年も前のギリシャの医師ヒポクラテスでした。彼は、船旅の中でよく起こっていたこの症状に注目し、「海での航海は、動きが人体の調子を狂わせることを証明している」と書き残しています(1)。ちなみに乗り物酔いの代表的な症状である吐き気(nausea)は、ギリシャ語の船(naus)に由来しています。

 乗り物酔いの症状は、皆さんもよくご存じかと思います。気分が悪くなり、ふらついたり冷や汗をかいたりします。吐き気がひどいと、実際に 嘔吐(おうと) することもあります。これは必ずしも自分自身が動いていなくても起こり、例えば大きなスクリーンなどで揺れる映像を見たときに起こることもあります。

小さな子供は、落ち着きがなくなったり、泣いたりすることも

 小さな子が乗り物酔いを起こした場合、自分では症状をうまく説明できないかも知れません。小さいお子さんの乗り物酔いでは、青ざめて落ち着きがなくなったり、あくびしたり、泣いたりといった症状が出現します(2)

 もっとも、乗り物酔いが1歳未満で起こることはまれです。一般に起こりやすい年齢は4~13歳とされ、特に6~9歳でよく起こるという報告があります(3)。そして思春期を過ぎると減ってくることも分かっています。一方で、起立性調節障害や片頭痛のあるお子さんは乗り物に酔いやすいことも分かっています。

体が覚えた空間認知情報とのズレで乗り物酔いが起こる

 乗り物酔いはなぜ、起こるのでしょうか。実は、まだ原因は確定してはいませんが、次の仮説が有力(4)です

 すなわち、人間の脳は、自分と周囲の空間との関係を視覚や平衡感覚、筋肉や皮膚で受け止める圧力から伝わる情報によって捉え、空間を把握します。空間を把握する能力は日々の生活の中で育ちますが、初めて乗った乗り物など、これまで経験したことのない感覚情報が入ると、体が覚えている空間認知のパターンとズレが生じて乗り物酔いが起こるという仮説です。

 その仮説なら、乗り物酔いの起こりやすさが年齢によって変わる理由が説明できます。まず乳児ではめったに乗り物酔いは起きませんが、脳の空間把握のシステムが未熟で、体がパターンを学習している途中なのでズレが起こらないと考えられます。その後、成長して様々な運動をするようになり、空間認知のパターンが増えます。しかし、小学生あたりではまだまだ乗り物に乗る経験も十分ではありませんので、乗り物酔いが起こるわけです。思春期以降になると車に乗ることも増え、空間把握のパターンを多く学習し、酔いにくくなっていきます。一方で、大人でも船に乗ったことが少ない人が船に乗ると、酔いやすいことにも合点がいきます。

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November 16, 2020 at 03:26AM
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