今月末に閉園する東京都練馬区の遊園地「としまえん」。不動の一番人気はジェットコースター「サイクロン」だ。40年以上、園に勤め、50~60種類の乗り物を担当した事業運営部副部長の渡辺孝一さん(60)は「サイクロンは、としまえんのキング。職員にとっても憧れの存在だった」と話す。営業日も残り数日。園の王様は別れを惜しむ人々を楽しませ続けている。(西川正志)
正面ゲートから歩いて約5分、園の中央付近に青色に塗装された鉄骨がそびえ立つ。ガタゴトとどこか懐かしい音を立てながら、客を乗せた車両がゆっくりと傾斜のついたレールを上る。高さ18メートルまで達すると一気に降下。同時に客たちの絶叫が響く。閉園が間近に迫った25日午後、1~2時間待ちの行列ができた。人気は衰え知らずだ。
サイクロンは、全長822メートルを最高速度65・5キロで疾走する。数え切れない人々を笑顔にしてきた。としまえんのシンボルと言えば、世界最古級の回転木馬「カルーセルエルドラド」だが、サイクロンは、エルドラドの“先輩”にあたる。エルドラドは1907年製造だが、園で営業を始めたのは71年。サイクロンは65年で、園での営業期間は最長だ。
幼いころからサイクロンに憧れていたという渡辺さん。小学生のころ、家族と訪れた園のプールで青い鉄骨を見上げ、「いつか乗りたい」と胸を躍らせた。10歳で初めて乗った時のワクワク感は今も覚えている。
高校卒業後、親族の勧めもあり、園に就職。アトラクション運営を希望し、幼児向けの乗り物を担当した。人気のあるサイクロンの担当は職員の憧れだった。
サイクロンを任されるには5年ほどかかるのが常識。渡辺さんは休憩時間を削って、ブレーキ操作が最も難しい別のアトラクションの運転を独学で学び、操作技術を磨いた。努力が認められ、4年でサイクロンを任された。初めて担当した時の、少年時代とは少し違うワクワク感は色あせず、心に残っている。
時代に合わせ、多くのアトラクションの入れ替えが行われたが、一番人気のサイクロンは修繕を繰り返し、走り続けてきた。「健康そのもの。まだまだ現役」だが、閉園の日は近づき、その後の解体も決まった。
渡辺さんは「子どものころから見上げていたから、親のような存在。長い間、お疲れさま」と少し涙ぐむ。キングの名にふさわしく、平日でも長蛇の列をつくるサイクロンを見つめながら「程よいスリルで、親子3代、4代で楽しめる。ぜひ乗りに来てほしい」と呼びかけている。
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August 27, 2020 at 11:50AM
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