国家公務員を目指す女子学生限定のインターンシップが開催される。
全体で430人、理系学生など技術系職種は過去最多の165人を募集するという。参加者は希望する府省で政策の企画・立案プロセスを体験できる。
国家公務員の女性採用比率を高めるための、いわゆる「アファーマティブアクション(積極的格差是正措置)」だ。
女子学生人気は文科省と厚労省
国家公務員を目指す女子学生限定のインターンシップが開催される。毎年、募集人数を上回る応募がある人気企画だ。
出典:Reuters
内閣人事局が実施するこの「女子学生霞が関インターンシップ」は、9月に5日間の日程で実施される。1日目は内閣人事局から行政機関の女性活躍推進施策について説明を受け、残りの4日間で希望する2つの府省で政策立案の体験ができるようになっている。
男子学生も参加する通常のインターンシップでは財務省や経産省が人気だが、本インターンシップの人気は文科省や厚労省、人事院だ。
ほとんどの省のプログラムで女性職員との懇談会やワークライフバランス、女性のキャリアについての講演が設けられているのも特徴だろう。
そもそもなぜ女子限定? という向きもあるかもしれない。この試みは、国の第5次男女共同参画基本計画に定められた、
・国家公務員及び国家公務員総合職の女性採用比率を毎年度35%以上
・国家公務員の技術系区分の女性採用比率を2025年度までに30%
にするという目標の元で実施されている、霞が関のいわゆる“アファーマティブアクション”だ。
子育てと昇進は両立できるか
長時間労働が問題視される霞ヶ関。ワークライフバランスは学生の関心も高い。
撮影:今村拓馬
霞が関では7年前の2015年から女子学生限定インターンシップを実施してきた。担当する内閣官房内閣人事局・参事官補佐の中村大輔さんは言う。
「男女混合だと聞きづらいような、出産や子育てなどライフイベントに関する質問もしやすいのだと思います。『育休を取っても昇進が遅れたりしないですか?』など、リアルな話を聞きたがる学生さんが多いです。
こちらとしても若手職員から、民間企業でいうと役員にあたる審議官クラスまで、ロールモデルとなるような女性職員との出会いを提供できる貴重な機会になっています」(中村さん)
実際、過去に参加した女子学生たちからは「ワークライフバランスの不安が解消された」という声が多い。
こうしたこともあってか、女性の国家公務員人気は上昇傾向にある。
キャリア官僚と呼ばれる国家公務員総合職の試験では、2022年度春、女性の申し込み者数が41.2%と2年連続で4割を超え、過去最高となった。
また、2022年4月1日付けで採用された国家公務員の女性比率は全体で37.2%と、前述の目標値を達成する結果に。
一方で、総合職の採用比率は34.5%、技術系区分では24.1%と目標に届いていない。
特に今後は技術系の採用に注力していきたいと言い、今回のインターンシップでも過去最大の受け入れ枠を用意している。デジタル庁発足以降、初のインターンシップになるため、IT人材の参加増も予想される。
「女子限定」では就活サイトに掲載できない
撮影:今村拓馬
しかし、こうしたアファーマティブアクションには反発も付き物だ。学生などから「女子だけずるい」といった批判はないのだろうか。
「実は女子学生限定のインターンシップを開始した時、※当時の政府目標は達成していたんです。それでも当初から今まで批判の声はほとんどありません。
一方で、民間の就活サイトには理解してもらえないことも。募集記事を載せようとして『女子学生限定では掲載できません』と何度も断られました。コンプライアンス上の理由だそうです。
学生よりも就活産業のほうが、こうしたアファーマティブアクション的な考え方が浸透していないのかもしれません」(中村さん)
女子学生限定の霞が関インターンシップの応募は6月24日まで。所属の大学などを通じて行うようになっている。
中村さんは、「対面のみならずオンラインでも参加できるため、上京することが難しい地方の学生の皆さんにもぜひ応募してほしいです」と話す。
※2015年度、国家公務員の女性採用比率を政府全体で30%以上にするという目標に対し、2015年4月1日付けの女性採用比率は31.5%だった。
(文・竹下郁子)
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